野球肘
野球肘とは
野球肘とは肘関節の骨、筋肉、靭帯、神経などが損傷した状態のことを言います。
大人の骨に比べ、子供の骨は柔らかく、関節軟骨も脆弱なため、特に成長期の子供に生じやすい疾患です。
特徴
野球肘には損傷している部位によって「内側型」「外側型」「後方型」と分類されます。
内側型ではコッキング期(肩関節最大外旋位)、外側型では加速期(ボールリリース時)、後方型ではフォロースルー期で障害されやすいと言われています。
そのため、どの投球フェーズで痛みが出るのか、どの投球フェーズに問題があるのか評価する必要があります。
投球フェーズ:ワインドアップ期、ストライド期、コッキング期、加速期、減速期、フォロースロー期に区分されます。
原因
野球肘の原因は、繰り返しボールを投げることによるオーバーユースだけでなく、フォーム不良(良くない投げ方)、上肢・体幹・下肢の柔軟性および筋力低下などがあります。
特に胸郭、肩関節、股関節の柔軟性低下が学童期の野球肘を発症する危険因子として挙げられています。
リハビリ
痛みが強い場合や、肘関節の組織に変性がある場合は投球制限をすることによって組織の回復を待ちながら、肘関節周囲の治療を行います。
また、投球動作は肘以外の影響も強く受けるため、肩甲骨周囲筋群、体幹、股関節など投球動作に関連する部位のトレーニングを行うことで肘関節の負担を軽減し、野球肘の再発を防ぐ体作りを目指します。
症状には個人差があるので、医師の指導のもとリハビリを行うことが大切です。