サルコペニア
「サルコペニア」は、筋肉量や筋力の減少し、身体機能が低下している状態を表した言葉です。
高齢者に特に見られることが多く、転倒や骨折、寝たきり状態になる原因の1つとなります。
65歳以上の高齢者の約15%がサルコペニアに該当するとされており、日本では約500万人がサルコペニアであるとされています。(参照:内閣府 高齢社会白書)
「最近、手足が細くなった」、「重たい荷物が持ちにくくなった」、「椅子から立ち上がりにくい」などの症状がある場合は、かかりつけの医師に相談してください。
原因
加齢
加齢によって、筋肉量や筋力が自然と減少する傾向があります。特に、40歳以降から急速に筋肉量が減少し始め、60歳以上ではさらに加速します。
身体活動の不足
運動不足や身体活動の減少は、筋肉の減少を促進します。筋肉を刺激しない生活を送ることで、筋肉が衰えていくため、サルコペニアのリスクが高まります。
栄養不良
タンパク質やビタミンD、カルシウムなどの栄養素の不足は、筋肉の合成や維持に影響を与えます。特にタンパク質の不足は、筋肉の減少を促進します。
慢性疾患や病気
糖尿病や心臓病、関節炎などの慢性疾患は、筋肉の減少を引き起こす可能性があります。また、病気や手術による長期の安静生活も、筋肉の減少を促進する要因となります。
神経の変化
加齢や神経系に関与する様々な疾患によって中枢神経系(脳や脊髄)や末梢神経系(脊髄や脊髄から伸びている神経)が変化すると、筋肉への刺激が減少したり、制御が失われることで、筋肉の減少が進行します。
サルコペニアは、これらの要因が組み合わさることで発症しやすくなります。特に高齢者や運動不足の人、栄養バランスが偏った食事をしている人、慢性疾患を抱える人などがサルコペニアになりやすいと言われています。
しかし、適切な栄養摂取や運動、定期的な健康管理などの対策を取ることで、サルコペニアのリスクを軽減することができますので、下記を参考にしてみて下さい。
予防法
以下のことを実践することでサルコペニアのリスクを軽減し、健康な筋肉量や機能を維持することができます。
適切な栄養摂取
適切なタンパク質の摂取が重要です。特に高齢者は、タンパク質の代謝が低下しているため、日常の食事から十分なタンパク質を摂取する必要があります。
また、ビタミンDやカルシウムなどの栄養素も筋肉の健康維持に重要です。
適度な運動
運動は筋肉を刺激し、筋力や筋持久力を向上させます。
抵抗運動(重りを使った運動や自重運動)や有酸素運動(ウォーキング、水泳など)を組み合わせて行うことが効果的です。
特に抵抗運動は、筋肉の量や質を改善し、サルコペニアの予防に効果的です。
自宅でできる抵抗運動には以下のようなものがありますので参考にしてみて下さい。
生活習慣の改善
喫煙や過度のアルコール摂取、不規則な生活などの不健康な生活習慣は、サルコペニアのリスクを増加させる可能性があります。健康的な生活習慣を維持するよう心がけましょう。
個々の状況や健康状態に応じて適切なアプローチを選択することが重要なため、医師や専門家との相談をお勧めします。