橈骨遠位端骨折(コーレス骨折・スミス骨折)
特徴
転んで手をついた際によく発症する骨折の一つです。
骨粗鬆症のある方や、若くても高い所から転落して手を着いたりして強い外力が加わっても骨折します。
手首の強い痛み、腫れが生じ、関節可動域が制限されます。骨折の影響により正中神経が圧迫され指が痺れることがあります。
治療
骨折部の安静のため、ギブス固定を4〜5週行います。骨折の癒合状態によっては固定期間が短くなることもあります。整復が出来ない、整復位を保持できない場合は手術が必要となることもあります。
当院では超音波骨折治療器を導入しております。当機器を使用することによって骨折の癒合日数が約4割短縮するとの報告があります。骨折部位に20分当てるだけで痛みは伴いません。
ある程度の骨癒合ができた時点で関節が固まっていて生活に支障がをきたす状況であれば、理学療法士の指導のもとリハビリを行なっていき改善を図ります。
リハビリ
初期のリハビリでは骨折部位の手首は積極的に動かせない状況です。
また固定期間により指、肘、肩の関節の動きも悪くなっている場合もありますので、それらの関節から積極的に動かしていきます。
そうすることで手の浮腫みの改善が図れますので、その後のリハビリがスムーズに進みます。特に指の関節が固まってしまうことが多いため、この時期にしっかり柔らかくしておくことが重要です。
手首の運動としてはまずは無理なく動かせる範囲で動かし、徐々に可動域を改善させていきます。
手首や指の運動に関しては以下のような運動が代表的です。
上記の運動のみではなく、数ある運動の中から個々に合わせて最適な運動を指導していきます。
また、運動だけでなく関節の動きが良くなるようにマッサージやストレッチを行なったり、生活で困難さを感じている動作に関しては動作練習や楽にできる動作の提案なども行います。
症状には個人差があるので、医師や理学療法士の指導のもとリハビリを行うことが大切です。