骨粗鬆症
骨粗鬆症とは
骨密度(骨の強度)が低下して、骨折しやすくなる病気です。
特に閉経後の女性において骨密度が減少しやすくなります。
骨粗鬆症になると腰椎圧迫骨折、橈骨遠位端骨折、大腿骨頸部骨折などの骨折疾患を発症するリスクが高くなります。
「ドミノ骨折」という名前を知っていますか?
1つの骨折をきっかけに、ドミノのように次々と骨折を繰り返してしまう状態のことをドミノ骨折と呼びます。
例えば、1度背骨を骨折してしまうと次の背骨を骨折する危険性が5倍に、太ももの付け根の骨を骨折(大腿骨頸部骨折)する危険性は2.5倍になってしまうことが分かっています。
骨折するとしばらく体が動かせなくなり、筋力が減ります。また、体を動かせなくなると骨への刺激が減ることで骨が弱くなり、さらに骨密度が減少してしまいます。これらの原因によりまた転倒してしまったり、昔は骨折までしなかったような衝撃でも骨折まで至ってしまうというわけなのです。
このような骨折の連鎖を起こさないように、自分の骨密度は今どのくらいなのかを1度確認し、骨密度が少なければ下記のような対策をしていくことが重要です。
骨粗鬆症の予防
①若年期に高い骨密度を獲得する
②骨量減少を最小限にとどめる
この2つが重要です。
特に「②骨量減少を最小限にとどめる」に関しては、運動、バランスの良い食生活、適度な日光浴が重要とされております。
運動
運動は骨を強くするのに役立ちます。骨は、適度な負荷がかかると成長し強くなりますので、定期的な運動によって骨密度が増加し、骨粗鬆症のリスクを減らすことができます。
また、運動は筋肉を強化しバランス感覚を向上させる助けとなります。これにより、転倒や骨折のリスクを減らすことができます。そして、自立した生活を維持するために必要な身体的な能力を保つのに役立ちます。
バランスの良い食生活
特にカルシウム、ビタミンD、ビタミンK、タンパク質が重要とされています。
カルシウム
骨の構成する主成分ですので、最も大切な栄養素となります。
⇨多く含まれている食材:乳製品、小魚、緑黄色野菜、大豆製品
ビタミンD、ビタミンK
骨へのカルシウムの取り込みを助ける栄養素です。特にビタミンDは高齢者において不足傾向な状態が多いことが報告されています。
⇨多く含まれている食材:魚類、きのこ類、納豆、緑黄色野菜
タンパク質
骨の成分であるコラーゲンを作る材料となります。コラーゲンは骨の柔軟性や弾力性を増加させ、骨が衝撃やストレスに対して強くなります。また、ビタミンとD、Kと同じく、カルシウムの吸収を助けてくれる栄養素です。
⇨多く含まれている食材:肉、魚、卵、豆、乳製品
適度な日光浴
日光に含まれる紫外線によってカルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDが合成されます。1日15分程度の日光浴が推奨されております。
(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版より)
治療
薬物療法ではお薬と注射による治療方法があります。骨折のリスクが高い場合は注射を行います。
当院ではDEXA骨密度測定に加え超音波骨密度機器を用意し、気軽にお試しできます。定期的に計測することで予防や、早期発見にもつながります。
また、骨折を防ぐためには、薬物療法だけでなく運動療法を行い、転倒予防に努める必要があります。患者様が気軽に運動できるようにコグニバイクを導入しております。
詳しくはお気軽にスタッフまでお声かけください。